躯体はもちろん、設備の劣化にも対応できる。
建物を総合的に診断できるコンサルタントです。

建設業界はその専門性や役割の細分化を進めてきた業界です。脳外科を専門にしてきた医師が、心臓の手術経験がないように、意匠設計や構造の設計を行ってきた建築設計士は往々にして、設備設計の経験や知識がありません。ですが、大規模修繕工事には、建物の状態を総合的に診ることができる能力が必要です。10年、20年と経過したマンションの劣化する部位は、屋上や外壁だけではないのですから・・・。人の身体と同じで、病状が進んでからでは、手当の方法は大がかりになり、費用もかさむことになります。それを防ぐには、総合的に診断し、早めに手当を施すノウハウが必要になります。ハンザは建物の躯体はもちろんのこと、給排水などの設備の修繕・改修経験も豊富。建物の劣化状態を総合的に診断でき、大病を患う前に、予防処置を行うことができます。
大規模修繕工事の流れと業務内容
建物診断
施工時期の妥当性、修繕方法、工事費算出のための基準など・・。建物診断による診断結果は、必要な工事範囲と改修仕様を決める根拠となります。工事内容が中途半端になったり、工事範囲や仕様が過剰になって無駄な費用が発生したりしないようにするためにも必要不可欠な業務です。
1.全体の劣化状況や傾向を把握するための「目視・触診・打診調査」
[調査対象]- 躯体(コンクリート、モルタル)
- 外装(外装タイル、外装塗装等)
- 防水(屋上防水、外部共用廊下、階段、バルコニー等)
- 鉄部(金属扉、照明機器、消火栓BOX等)
- 外溝(外溝フェンス、機械式駐車場、エントランス、外溝照明等)
*劣化数量を具体的に把握するために、必要に応じて調査ロボットによる調査も行います。
2.改修設計の仕様を具体的に決定するための「破壊調査」
[調査内容]- コンクリート中性化深度調査
- 外壁タイル付着力調査
- 外壁塗装付着力調査
- シーリング材物性調査
- コンクリート圧縮強度調査
「目視・触診・打診調査」と「破壊調査」を実施し、写真や図面などで記録し、建物の状態を把握して総合的な考察をまとめます。また、全戸アンケートも行い、居住者のみなさまが気になっている箇所なども考察に加えますので、確度の高い建物診断が行えます。
改修設計
建物診断の結果と、全戸アンケートで得たみなさまからのご要望に沿って、改修設計仕様書と設計予算書の作成を行います。長く建物を持たせるためにはどうすればよいか。長い目で見てどんな修繕が費用の節約につながるのか。居住者のみなさまの軽減する方法は無いか・・・など。管理組合さまとじっくり時間をかけて協議して、最終的な仕様と予算を決めていきます。
1.工事範囲や工法・材料の指定を行うための「改修設計仕様書」
[設計項目]- 仮設工事(共通仮設工事、足場架設工事等)
- 下地補修工事(外壁タイル、コンクリート等)
- 防水工事(屋上防水、外部共用廊下、階段、バルコニー等)
- 外壁塗装工事(金属扉、照明機器、消火栓BOX等)
- 外溝工事(外溝フェンス、機械式駐車場、エントランス、外溝照明等)
- その他提案工事(建物診断結果、アンケート内容、その他のご要望により)
*標準仕様書(一般項目)と特記仕様書(工法・材料の指定)を作成します。
2.工事数量を積算して工事全体の予算を決定するための「破壊調査」
[積算項目]- 仮設工事(共通仮設工事、足場架設工事等)
- 下地補修工事(外壁タイル、コンクリート等)
- 防水工事(屋上防水、外部共用廊下、階段、バルコニー等)
- 外壁塗装工事(金属扉、照明機器、消火栓BOX等)
- 外溝工事(外溝フェンス、機械式駐車場、エントランス、外溝照明等)
- その他提案工事(建物診断結果、アンケート内容、その他のご要望により)
*実測・竣工図書からの積算を行い、仕様・工法の設計単価を掛け合わせ予算書を作成します。
一般的なコンサルタントは設計単価を相場でチェックしますが、ハンザは現場と施工に精通していますので、原価によるチェックが可能です。そのため、質を保つための適正な予算を割り出すことができます。原価を把握できていないと、ただ業者を叩いて安くさせるため、品質確保が難しくなることが少なくありません。
業者選定
(コンサルタント業務)
大規模修繕工事を実施するには、区分所有者のみなさまの合意を得る必要があります。また、大規模修繕工事の成否は、実際の工事を担当する施工会社の質にかかっていると言っても過言ではありません。その重要な施工会社をどこにするのか。それを決定するにも、理事・修繕委員の方だけではなく、多くの区分所有者の方々の合意が必要になります。さまざまな大規模修繕工事を診てきたハンザでは、この管理組合bのみなさまの合意形成をとくに大切にしています。
1.総会での予算承認をスムーズにするための「大規模修繕工事の説明」
[説明項目]- 建物調査診断報告書の抜粋版の作成・説明
- 改修設計仕様書の抜粋版の作成・説明
- 設計予算書の抜粋版の作成・説明
*理事・修繕委員のみなさまの負担をできるだけ軽減し、専門的でわかりにくい大規模修繕工事についての説明をわかりやすく行います。区分所有者のみなさまへの情報開示をしっかりと行い、スムーズな進行を支援します。
2.みなさまが納得のいく施工会社を選ぶための「施工業者選定補助業務」
[積算項目]- 見積参加会社の募集
- 一次審査(経営状態、資本金、工事実績等による書類選考)
- 一次審査の結果説明・選考書類作成
- 選考後の見積参加業者への現場説明会資料の作成
- 現場説明会の開催サポート
- 二次審査(入札見積開封・内容確認・見積比較表作成)
- 三次審査(最終選考会の実施・参加)
*大規模修繕工事では、見積の項目も専門的でわかりにくいため、総額の安さだけで業者を選んでしまいがちです。そのためハンザでは、その見積の根拠をご説明し、安さだけでなく、実績や経営状態など、総合的に質の高い業者選定が行えるようサポートします。
施工業者の選定には、複数の見積参加業者を三次審査まで行って絞り込んでいきます。よい施工業者を見極め、選び抜くために必要な課程です。またこれは公正な業者選定を行い、区分所有者のみなさまが納得できる状況をつくるために必要なプロセスでもあります。ハンザではこの一連の作業をずっとサポート。管理組合さまが不利益を被らないように工事請負契約を交わすまでを責任持って支援いたします。
工事監理
大規模修繕工事は新築の建物とは異なり、みなさまがいつも通りの生活をしている状態のままで工事を進めていきます。施工会社に任せきりにしていると、どうしても作業効率を優先した進行になります。また、施工品質に関しても、どうしても保身の方向に働くきらいがあります。そのため、着工準備から竣工まで、弊社の技術が管理組合さまに代わりに、第三者の立場で工事の進捗や品質を点検し、現場作業員の指導を行います。
1.安全計画や広報計画を事前に確認するための「着工準備」
[準備項目]- 工事説明会の開催
- 施工計画内容および提出書類の提示・確認・調整
- 着工前現地打ち合わせ・確認
2.必要十分な品質の確保や工事の進行を円滑にするための「工事監理」
[監理内容]- 巡回監理(週1~2回程度)
- 各工程検査
- 各仕上がりの状況確認・是正指示
- 各詳細部の協議・確認・指示(納まり、取合い部)
- 安全確認・検査・是正指示(仮設足場、居住者通路等)
- 材料検査(仕様書通りの材料が使用されているか)
- 中間検査(足場解体前検査)
- 理事会・修繕委員会との打ち合わせ(月1~2回)
- 工事に伴う軽微な追加・変更工事の検討
- 広報状況の確認(アンケート、お知らせ等)
3.完了した工事内容をご確認いただくための「竣工引渡」
[業務内容]- 工事保障内容の確認
- 施工者の工事完了報告書の確認・審査・承認
- 施工者の工事完了引渡書類の授受による竣工引渡確認
その工事の遅れの原因は何なのか。一見きれいに仕上げてある施工。現場のことを熟知しているハンザは、ちょっとした矛盾も見逃しません。予定通りに修繕工事が進められているか。品質に問題はないか。工事の進捗状況を、忙しい管理組合さまに代わってしっかりとチェックします。